M.2 SSDのスペック表で最初に目に入るのは「最大◯◯MB/秒」という数字ですが、そこだけで選ぶと割高な買い物になりがちです。スロットの対応 → 容量 → DRAMの有無 → ヒートシンク の順に見ると候補が整理しやすくなります。この記事ではカイドキに収録している製品仕様を使ってその手順を解説します。掲載しているシーケンシャル読込・書込は収録スペックであり、カイドキによるベンチマークや実測値ではありません。

M.2スロットの仕様を最初に確認する

カイドキに収録しているSSD167件のうち、M.2 2280(幅22mm×長さ80mm)は133件です。ほかに2.5インチが26件、M.2 2230が5件、U.2(2.5インチ)が3件あります(10/18時点の収録データ)。デスクトップ向けマザーボードのM.2スロットはほぼM.2 2280に対応していますが、2.5インチやU.2は接続方式も違うため、M.2のつもりで選ばないよう注意してください。

確認が必要なのはそのスロットが何世代のPCIeに対応しているかです。Gen5対応スロットはCPU直結の1本だけ、というマザーボードは珍しくありません。Gen5のSSDをGen4スロットに挿しても動作はしますが、速度はGen4相当に落ちます。逆にGen4のSSDをGen5スロットに挿しても問題ありません。

容量は「使う量+余白」で決める

SSDは空き容量が少ない状態が続くと書き込み性能が落ちやすい設計です(空き領域を高速な疑似SLCキャッシュとして使うため)。使用量ぴったりではなく、余白を見込んで選んでください。

一般的な目安は、OSとアプリだけなら500GB〜1TB、ゲームを何本か入れるなら1TB〜2TB、動画素材や大量のゲームを保管するなら2TB以上です。

容量あたりの価格(容量単価)は、容量を2倍にすれば半分になるとは限りません。当サイトの価格データで、同じシリーズの1TBと2TBが両方とも在庫ありの6組を実質価格の容量単価で比べると、2TBのほうが3%以上安い組は1組、ほぼ同じ(差が3%以内)の組は2組、2TBのほうが高い組は3組(10/18時点・楽天/Yahoo!の当サイト集計)です。どちらが割安かはシリーズと時期で変わるため、容量違いを比べるときはSSDの価格一覧で同じシリーズの各容量の実質価格を確かめ、容量で割って比べてください(組ごとの値は後述の「容量単価の実際」)。

Gen4とGen5は「用途で効き方が違う」

インターフェース欄のPCIe世代とレーン構成(x4など)を確認します。下の比較ではPCIe 4.0 x4とPCIe 5.0 x4の製品を掲載しています。

Gen5はシーケンシャルの公称値がGen4の倍近くありますが、その差が出るのは大きなファイルを連続で読み書きする場面です。OSの起動やアプリの立ち上げ、ゲームのロードは細かいランダムアクセスが中心で、公称値ほどの差は出にくい領域です。またGen5は消費電力と発熱が大きく、ヒートシンクが実質必須になります。

大容量の動画素材を扱うならGen5、ゲームや一般用途が中心ならGen4の上位モデル、という切り分けが現実的です。なお、体感差や実際の処理時間はカイドキでは測定していません。

DRAMの有無は大量の書き込みで効く

SSD DBではDRAMを「あり」「なし」で収録しています(確認できていない製品は欠測で、「なし」とは区別しています)。収録167件の内訳は、DRAMありが40件、DRAMなしが7件、未確認が120件です(10/18時点の収録データ)。

DRAMはデータの保存場所を記録した管理表を置くための作業領域です。DRAMなしのモデルは、大量のファイルを扱うときやドライブが埋まってきたときに速度が落ちやすい傾向があります。システムドライブや作業用なら「あり」、書き込み頻度の低い保管用なら「なし」でも実用的、という選び分けになります。

なお、DRAMの有無だけで価格が決まるわけではありません。後述の比較表の2TBモデルでは、DRAMなしのWD_BLACK SN7100のほうが¥21,292高い(実質価格の差・10/18時点・楽天/Yahoo!の当サイト集計)です。

ヒートシンクはマザーボード側と重複させない

ヒートシンク欄は、SSD製品自体にヒートシンクが付くかどうかを示します。マザーボード側にM.2用ヒートシンクが付いている場合、ヒートシンク付きSSDは物理的に干渉して装着できないことがあります。 どちらか一方に決めてください。

同じ製品でヒートシンクの有無が選べるモデルもあります(比較表のSamsung 9100 PROがその例です)。マザーボード側にヒートシンクがあるなら、なし版を選ぶほうが安く済みます。なお、冷却の実効果や個別の干渉情報はカイドキでは扱っていないため、双方の説明書で確認してください。

容量あたりの価格は同じ基準で計算する

候補が絞れたら「現在価格 ÷ 容量」で単価を出して比べます。このとき、税込価格で比べるのか、ポイント付与分を差し引いた実質価格で比べるのかを候補間で統一するのが大事です。片方だけポイントを差し引くと結論が逆転します。実質価格の前提や注意点は「実質価格」で選ぶPCパーツ購入ガイドで解説しています。

単価だけで決めず、必要な条件(PCIe世代・DRAM・ヒートシンク)を満たす候補同士で比べてください。具体的な価格は変動するため、SSDの価格一覧で最新の表示を確認します。

容量単価の実際(当サイトの価格データ)

同じシリーズの1TBと2TBがどちらも在庫ありの組を、実質価格の容量単価で比べると次のとおりです(ページを生成するたびに、その日の取得データで計算し直します)。

シリーズ1TBの容量単価2TBの容量単価2TB÷1TB
Samsung 990 PRO with Heatsink¥51.0/GB¥36.5/GB0.72倍
Samsung 9100 PRO with Heatsink¥56.3/GB¥56.3/GB1.00倍
Samsung 990 EVO Plus¥45.8/GB¥45.8/GB1.00倍
Samsung 9100 PRO¥40.0/GB¥51.5/GB1.29倍
Samsung 990 PRO¥35.0/GB¥46.9/GB1.34倍
WD Green SN3000¥35.8/GB¥51.3/GB1.43倍

10/18時点・楽天/Yahoo!の当サイト集計。容量単価は実質価格 ÷ 容量(1TB=1,000GB)。実質価格は税込価格から通常時のポイント(販売先ごとの直近の標準的な付与率)を引いた目安です。期間限定のポイントアップ・キャンペーン・クーポン・会員ランクによる上乗せは含みません。

収録製品で仕様を比較する

次の表は容量を2000GBに揃え、PCIe世代、DRAM、ヒートシンクとシーケンシャル仕様を比較したものです。

項目Samsung 990 PRO 2TB MZ-V9P2T0BWD_BLACK SN7100 2TB WDS200T4X0ESamsung 9100 PRO 2TB MZ-VAP2T0B-ITSamsung 9100 PRO with Heatsink 2TB MZ-VAP2T0C-IT
容量2000GB2000GB2000GB2000GB
フォームファクタM.2 2280M.2 2280M.2 2280M.2 2280
インターフェースPCIe 4.0 x4 (NVMe 2.0)PCIe 4.0 x4 (NVMe)PCIe 5.0 x4 (NVMe 2.0)PCIe 5.0 x4 (NVMe 2.0)
DRAMありなしありあり
シーケンシャル読込7450MB/s7250MB/s14700MB/s14700MB/s
シーケンシャル書込6900MB/s6900MB/s13400MB/s13400MB/s
ヒートシンクなしなしなしあり
詳細/購入詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

表の読込・書込は収録スペックであり、カイドキの実測結果ではありません。4製品のいまの在庫と実質価格は次のとおりです。

価格・在庫は楽天/Yahoo!の当サイト集計(毎朝取得。10/18時点のデータで反映し、取得が14日より古い販売先は使いません)。実質価格は税込価格から通常時のポイント(販売先ごとの直近の標準的な付与率)を引いた目安です。期間限定のポイントアップ・キャンペーン・クーポン・会員ランクによる上乗せは含みません。

より多くの製品を条件で絞り込む場合は、SSD絞り込みDBで容量、インターフェース、DRAM、ヒートシンクなどを確認できます。

購入先と最新価格はSSDの価格一覧で確認してください。記事内で特定の1商品を購入先として挙げると、読むころには在庫切れになっていることがあります。価格一覧は毎朝取得した価格を反映し、在庫のある商品を優先して並べます。

まとめ

  • スロット … Gen5対応はCPU直結の1本だけ、ということが多い。挿す場所で速度が変わる
  • 容量 … 空きが減ると書き込みが遅くなる。余白込みで、ゲーム用途なら1〜2TBが目安。容量単価は大容量ほど安いとは限らない
  • 世代 … Gen5が効くのは大きなファイルの連続転送。ゲーム中心ならGen4上位で十分なことが多い
  • DRAM … システム・作業用は「あり」、保管用は「なし」でも実用的。価格はDRAMの有無だけでは決まらない
  • ヒートシンク … マザーボード側にあるなら、なし版を選ぶ(干渉と価格の両面で有利)

条件が固まったらSSD絞り込みDBで候補を絞り、SSDの価格一覧で実質価格を確かめて、容量あたりの価格を比べてください。シーケンシャル仕様は実測性能と同一ではないため、機器メーカーの対応情報も併せて確認してください。