電源ユニット(PSU)は普段あまり意識されないパーツですが、CPUやGPUを安定して動かす土台です。必要な容量は「感覚」ではなく、CPUとGPUの消費電力から機械的に見積もれます。この記事ではその考え方を整理します。
必要容量の考え方(計算式)
カイドキの電源容量計算機は、次の式で必要ワット数を算出しています。
- 実消費の目安 = CPUの実最大消費電力 + GPUのTGP + その他パーツ150W
- 余裕込み = 実消費の目安 × 1.5
- 推奨容量 = 余裕込みを市販電源の標準容量(550 / 650 / 750 / 850 / 1000 / 1200W)へ切り上げ
CPUは公称TDPではなく「実最大消費電力(PPT/PL2)」を使うのがポイントです。近年のCPUは高負荷時にTDPを大きく上回るため、TDP基準では過小評価になりがちだからです。1.5倍の余裕をとるのは、電源が定格の50〜80%程度の負荷帯で効率と寿命のバランスが良いとされ、電力スパイクや将来の増設にも対応しやすくなるためです。
構成例で見る目安
スペックDBの実データで計算すると、次のような目安になります(その他パーツは一律150W)。
- ミドル構成 … Ryzen 5 9600X(実最大88W)+ Radeon RX 9070(TGP 220W)= 458W → ×1.5 = 687W → 750W
- 主流ゲーミング構成 … Ryzen 7 9800X3D(実最大162W)+ GeForce RTX 5070(TGP 250W)= 562W → ×1.5 = 843W → 850W
- ハイエンド構成 … Ryzen 9 9950X3D(実最大230W)+ GeForce RTX 5080(TGP 360W)= 740W → ×1.5 = 1110W → 1200W
同じ「ゲーミングPC」でも、GPUのクラスによって必要容量が大きく変わることが分かります。
GPUのTGPとメーカー推奨電源(参考)
GPUチップごとのTGPと、メーカーがリファレンス基準で示す推奨電源容量は以下のとおりです。メーカー推奨値はあくまで参考なので、実構成では上の計算式とあわせて判断するのがおすすめです。
| 項目 | GeForce RTX 5090* | GeForce RTX 5080* | GeForce RTX 5070* | Radeon RX 9070 XT* |
|---|---|---|---|---|
| TDP | 575W | 360W | 250W | 304W |
| 推奨電源 | 1000W | 850W | 650W | 750W |
| 詳細/購入 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
* 暫定値(検証中)。正確な数値は公式スペックシートをご確認ください。
まとめ
必要容量は「CPU実最大 + GPU TGP + 150W、その1.5倍を標準容量へ切り上げ」で見積もれます。ただしこれは一般的な目安であり動作保証ではありません。OC設定やファンの数、電源の経年劣化で実消費は変動するため、最終判断は各メーカーの公式推奨値もご確認ください。自分の構成での数値は電源容量計算機で選ぶだけで確認でき、各パーツの消費電力はCPU絞り込みDBやGPUボード絞り込みDBでも参照できます。